温泉から温泉山行 6 初日の登り 

猿倉荘の左手の、緩やかな道を登って行く。雪渓へと続く道だ。バラバラと登山者が前後にいる。
やがて道は左に分かれ、そこからが白馬鑓温泉コース。ぱったりと人が減る。ほとんどが雪渓に行くらしい。

道は次第に急になり、折り返しながら登っていくと、朝の光に、早くも草いきれが漂ってくる。
40分に10分の休憩を入れてゆっくりゆっくり歩を運ぶ。
湿性の草原帯となり高山植物に迎えられ、右前方に白馬岳が大きく聳えている。
2時間あまり登ったところで双子岩の見える小日向のコル。休憩場所。
景色が開けてきて、後立の山腹のおんもりとした美しさに包まれる。
杓子の赤味がかった岩がすばらしい。

水は道々にあり、そのたびにゴスケは手ですくって飲む。生き生きした水を飲んでいかなければもったいないといった感じだ。日本の空気や水を信じることができなくなっている野遊は、持参のお水で間に合わせたいのに、ゴスケはペットボトルに汲んで野遊に勧める。う〜んどうもね〜・・・じゃちょっとだけ。ゴックンひゃぁ〜おいしい\(◎o◎)/!もう〜矢でも毒でもどんとこいゴクゴク。

どうせ明日からは山のお水に頼るしかないのだ(^^;)

一人の登山者が向かいからやってきて、大変疲れた顔をしている。
やがてまた一人やってきて、これも疲れた顔をしている。
また一人やってきて、ぐったりした感じだ。
彼は「今日は下るだけのつもりだったけれど、ここが意外としつこい登りで」と言う。
なるほどそこからタラタラと下りが続いた。
今降りてくるのは鑓温泉発の人たちなので、朝湯にでも浸かって下ろうという人には、結構きつい登りかも。

そこが終わると雪渓が見えてくる。やがて斜め上方に小屋が見え、鑓温泉だ。
ゴスケ「もうすぐだ、意外と近かったね〜」
野遊「そんなわけない。あそこまでまだまだでは?」
ゴスケ「いや〜すぐだよ30分だ」

もちろんまだまだで(^_^;)、小屋が途中で死角に入り、何度か雪渓を歩く。
あとで見たがこの道は小屋からは、隠れた部分もあるがよく見渡せた。
時々すれ違う人に会う。雪渓ではアイゼンを使用している人もいた。
今年は残雪が多いそうだけれど、雪渓はツボ足でも歩きやすかった。
濡れた草つきの斜面を登り、鑓温泉に着いたのは11時50分。ここで昼食。