北アのゲートキーパー焼岳 8 登山で一番うれしい瞬間

5mの大石や、直径80㎝の倒木(石と木の寸法は中の湯温泉の手製イラストマップによる)を越して太いブナ林の斜面をジグザグに登って行き、岩がガラゴロ敷き詰められたようなところを行き、やがて急登になっていく。

登ると水平の道になり、また急登になって水平、なんだか楽しい道となっていく。もう半分は過ぎたな〜と思いつつ進んだ。

ふと眼をあげると、木々の向こうに美しい山がすっくりとそびえているではないか!
あれは、あれはそうだ焼岳だ、焼岳ではないか!!
思わず声をあげた。ゴスケも「おお〜!!」。

登山で一番うれしい瞬間だ。

朝日を浴びた焼岳は、肩を赤みがかったピンク色に染め、どんどん青くなっていく空を背景に、見あげるたびにその色を変えていった。

ブナはダケカンバに代わり、さらに登っていくと、見晴らしは登るごとに開けて、焼岳は威風堂々とした全容を惜しげもなく見せてくれた。煙が立ちのぼっていた。これが焼岳。すごい迫力〜・・・