富山 1、金太郎温泉

何十年も教師だったゴスケが無事に勤めあげ、この春リタイアしたのをお祝いして、金太郎温泉というところに夫婦として行くことになった。

野遊は今月中旬から1カ月、ヒマラヤ行の計画があるので、家族サービスはちょっと気が重かったけれど、雨の日も風の日も通いとおした、もとい台風の日も風邪の日も通いとおした、それこそこの道一筋でこの日を迎えたゴスケは、当たり前と言えばそうなのだが、やはり称賛に値すると思うので、ゴスケと金太郎温泉に行くことにした。

それにしても富山とは。なぜ富山にしたか。特に理由はない。富山出身の知人が勧めてくれたのだ。
富山には何度も行った。薬師岳があるから。劔立山があるから。大日奥大日岳があるから。裏銀の始発点だから。でもいつも街は素通りだった。

富山に旅行をしたことはないが、富山にはいい印象がある。日本海北アルプスの国だ。厳しい気象条件の中、おいしいものがあり風光明媚な国だ。富山県警は遭難救助で有名だ。野遊の高校時代の国語系の担任の先生が富山出身だった。ときどきお国自慢をしていた。

行先は金太郎温泉なので、ほかにあれこれ盛り込まず、1泊にした。ゴスケが何か言うかなと思ったが、1泊で承知してくれた。

金太郎温泉は、一日湯治気分でのんびり過ごせる大きな温泉ホテルで、金太郎のように強くなろうという意味で命名されたそうだ。

春休みに入ってもゴスケは、しばらく学校に行っていたが、4月になっていよいよ家にいるようになり、4月2日(木)、3日(金)の平日、実にゴスケと結婚して初めて、何の休日とも無関係の平日に、夫婦で家を空けた。勤労奉仕リタイアって、思えば恐ろしい気が・・・

まあとにかく行こう。金太郎温泉に、普通の家族旅行。