ヒマラヤポカラトレッキング3 「人の弱みに付け込むネパーリ」

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これが魔のアラティホテル。なんか大きくならないけど。


AratiHotel アラティホテルの支配人はカウンターの向こうにいて、「1泊7000Rsです」と言う。ツアー客の宿泊ならあるだろうが、野遊は通常は街では1泊1000Rs以下で宿泊している。(ロッジでは300Rs内外)

野遊が今持っている現金は10$と10000Rsくらいだった。$は入国ビザでしか使わない。先ほど40$支払った残りだ。Rs(ルピー)は前回のトレッキングの残金。

あとは預け荷物の中だ。なぜかというと、野遊、2度目のエヴェレスト街道トレッキングで、乗り換えの広州空港で、手荷物のバッグを盗まれたのだ。

そこに現金を入れてあったので!

お金は現地につくまで使用しないのだから、預け荷物のほうに入れておくほうがいいと、その時思った。そしてそうすれば今度はこれだ。

もし荷物が届かなかったらどうしようか。現金は30日分の20万ほど。これをルピーに換金して十分賄える物価。ルピーはどの紙幣にも換金不能なので、残金がないように換金するが、次回のために多少持っていたほうが便利。空港についてから宿泊所までの交通費や、途中で飲み物などを買う場合に。

野遊は今、現金がない理由を先に伝えたのに、7000Rsとはどういう心か。では戻るというと、「4000RsでOK」と言うではないか。

最初はあんなに同情理解を示してくれたタクシーの運転手は、ここまでのタクシー代を1000Rs支払ってくれと言う。

タメルまで乗車30分も、本当は距離的に200Rsくらいなのだが、彼らは自らメーターを壊して300Rsを請求するようになってから、年々額がアップしていき、野遊がここに来るようになった数年の間に、6~700Rsが、ざっとした相場になっている。

それが、ここまで10分もしなかった場所で、1000Rsとは何事。(この時は知らなかったけど、実はこのホテル、空港のすぐ横に建っていて、歩いて数分。それをわざわざどこを遠回りしたか、車で10分ほど走らせていたのだった)

いやです、ではトリブバン空港に戻してくださいと言ったら、ホテルのマスターがカウンターから出てきて、タクシーの運転手と、二人の青年従業員が、なんとなくじわっと野遊を囲んだ。なにそれ怖いでしょ。