秋のヒマラヤトレッキング 48 キンジャKinja1630

キンジャに向かう道でも、野遊は前の二人に遅れて、一人でトボトボ歩いていたが、その先に学校があるとかで、中学生くらいの子たちが、野遊を追い越してどんどん走っていた。
「キンジャは?キンジャは?」と、野遊は、追い越しながら笑顔を向けてくれる子たちにいちいち聞いた。みんな、その先を指示してくれる。みんなに聞くのはしつこいけれど、聞かれるほうは1回なので、別にどうということはない。みんなの反応はそれぞれかわいかった。みんな、聞かれてとっても嬉しそうだった。みんな、聞かれる前に、野遊をのぞき込むようにして、ある意味見世物か(^-^;

「チョコレート!」「スィート!」と、エヴェレスト街道観光地のように手を出す子はいない。でも好奇心満載で、何か言ってよね?何々?という感じがある。接触するたびに、くたびれた野遊の五体に新たな活力がわく。

キンジャに着つけば一段落だ。その先の終点までは、もう目算で行ける。と、地図の上での野遊の想像。キンジャは思った通りの、結構開けた村だった。これを開けているとは、野遊もこの道に慣れてきているのだな!