ヒマラヤポカラトレッキング14「災難続出」

ポカラのターミナルを出ると、タクシーが並んでいていて、たくさんのネパーリが声をかけてくる。歩いて30分のレイクサイトの空GHは、日本人の山岸女史がネパールの夫君と経営している。

荷物があるのでタクシーを使用した。荷物は、野遊が小さいリュック、シュレスがダッフルバッグとほかにトレッキングシューズとアイゼン入りの手提げバッグをタクシーのトランクに入れて乗り込んだ。

タクシーは、カトマンズとは雰囲気の違う道を走った。道は整っていて、きれいだった。

シュレスは、彼の従兄、と言っても年も離れたおじさん的存在のスバスが、ポカラでガイド滞在中ということで、そちらに行く、と言って途中下車した。

空GHに野遊は一人で着き、タクシーを降りた。山岸さんの夫クリシナが迎えてくれた。タクシーの運転手さんに、下りるときにタクシー代を支払った。そして運転手さんがトランクからダッフルバッグを取り出して地面に置いた。クリシナがそれを持ち上げて、建物の中に入って行った。

野遊は、クリシナがダッフルバッグと、トレッキングシューズを入れた手提げ袋を持ってくれているのかな?と思い、クリシナの近くに行ってみると、ダッフルバッグだけだったので、あら?手提げ袋は?と思って、タクシーのほうを振り返ると、なんと!タクシーはドアをバタンと閉めて出発してしまった!

は?では手提げ袋はどこに??とあたりを見まわしても、ない。

あのタクシーの運転手さん、おろし忘れたのか、では、あとで気がついたら戻って届けてくれるだろうかと思ったが、どうやらそれは甘かった。

野遊は靴とアイゼンを失ってしまったのだ。