ヒマラヤポカラトレッキング44「パタンの夜」

野遊がオーム家に持っていった日本のお土産は、オリオンちゃんという少女に女の子のブラシとハンカチ、奥さんには小さな手製の箒と布巾(布を使わないのであえて)、歯磨きチューブと歯ブラシを家族5人分、四角い紙製の入れ物に入っている日本酒を何個か、それとおせんべい類、クッキーなど。

これらはトレッキング中は、ポカラの空GHに置いて行った。空GHにも、お土産を持っていった。山岸さんが日本の女性なので、ちゃんと箱に入った鎌倉銘菓を持って行った。オームさんとは家族ごと仲良しだったので、くだけてあれこれ持って行ったのだ。

オームさんと友達は、日本酒を飲みながら屋上からお祭りを見物した。

やがて夕食タイム。オームさんの親せきが、子どもも入れて10人以上来て、室内や外のコンクリートに座ったりして、めいめいお皿にお料理を入れてビールやロキシーなどを飲んだ。

マガール族のお料理を楽しみにしていた野遊だったが、別に特に風変わりなことはなかった。チキンや野菜などがお皿に盛られていた。親戚の人たちも野遊に話しかけてくれた。でもちょっとぎこちなかった気が。男たちはアルコールで盛り上がり、女たちは室内に固まっておしゃべり三昧、子どもたちは食べたり遊んだり、野遊は途中で引き上げた。

オームさんのダルバールGHは出入り口に仏像などを置いた空間があるが、彼はそこを喫茶店に作り直す計画だと言った。野遊はこのGHに泊めてもらいながら喫茶店を手伝ってみたいなあと思った。とオームさんに言ったら彼は「いいね」と言ってくれた。

そして次の日の朝、野遊は朝食をごちそうになって、荷物を担いで、タクシーのいる場所まで歩いて行った。

朝なのにもうすっかり出店はにぎわいでいて、生地を買ってと女の人がすごく言うので、生地を買った。

そしてタクシーでタメルに向かった。