野遊の将棋物語36 どんな気持ちで過ごしているのかなあ

キュンはどうしているかなあ…

やがて始まらんとする竜王戦7番勝負を思うと、野遊は不安に包まれてしまう。こういう追い詰められたような場面で迎える長期決戦を控えて、しかも世間ではもっぱら挑戦者の藤井君が勝つか負けるかに注目している。そして藤井4冠の誕生に身を乗り出している。迎え撃つ竜王は、王位戦で敗れ、叡王戦でも敗れ、今度こそはっきりと答えを突き付けられるような竜王7番勝負を、どうやって戦うのだろう。研究すれば相手も研究している。勝てばバージョンアップして戻ってくる。怖くて押しつぶされそうだ。

と思う間もなくすぐに王将戦とかが始まって、広瀬ボッチに勝っている。勝った負けたでどんな気持ちかなんてご本人は気にする間もないスケジュールだ。かえってこれが救いかも。こういう過酷な感情の波に揺さぶられながらも前を向いて進んでいかなくてはならないのが勝負の世界なんだなあ。

この王将戦のラスト戦士7人のうちに羽生さんがいることが凄い。羽生さん以外は挑戦体験者がせいぜいだけど羽生さんだけ王将在位8期という驚異的な記録保持者で、ほかの王将獲得棋士は、すでにこの挑戦者の中にはいなくなっているのだ。羽生さんの偉大さはどうだろう。

けれどまた、王将挑戦者決定戦で、本日羽生さんは豊島竜王に負けている。やっぱりキュンは強いんだな。もう、こっちをがんばって。でも勝ち残ればまた聡太と対局することになるか。強いなあ19歳。