野遊の将棋物語42 今日の対局、竜王戦第4局初日

2021年11月12日(金)竜王戦第4局初日

登場シーンも、ゆかしい流れに乗って過ぎていく。豊島竜王は、まことに美しい。藤井三冠もいつの間にか貫禄が出てきている。

立会人は福崎文吾。竜王の先手で幕が開く。

対局は時間を使わずに、双方研究の果ての、整地にせっせと進んでいくような序盤戦が、昼前に不穏な風が流れ込み、早くも中盤戦の様相を呈してきたかと思いきや、午後にはすでに一発触発の危うい局面を剥きだしていき、ちょっと…水、水入りってのがあったっけ、それ、あったらやってほしいというような、双方前のめりの熱い決戦になっていった。

もしかしてこのまま終局に!?というような際どいやり取りがじりじりと進んでいき、今は先手が数字の上で有利と指示されていても、次の一手で、どう指したとしてもどうしようもなく転落するしかないという棋譜に向かって、進みたくなくても進むしか手段はないといった、にっちもさっちもいかない図面に近づいていくような。これは前回もこの流れではあった。でも前回よりはもう少しは逃げ場というか手段は残されている…といった場面で封じ手となる。

聡太封じたが、ここで封じると福崎立会人が言うが早いか、聡太は封じた。もう身構えていた。これが対局者には薄気味が悪いだろう。

 

ライオンに素手で立ち向かう人間を、じっと

見つめる人々。

レインマン相手に楊枝を数えろというのですか。