千の記憶(2)ものごころ

3歳くらいのころからなのかな、物心つくとは。特に濃いきっかけがあると2歳のこともあるだろう。記憶は、繰り返し思い出しているとインプットされてずっと覚えている。それと、その場で一気にインプットされることもある。個人差があり、感性の度合いや種類にもよるだろう。

家族などから聞かされるエピソードは、記憶しているかのような気がすることもある。

エリには2人の姉がる。6歳年上のアネ、3歳年上のマチ。曾祖母も同居していて、色白でフックリしていたエリは可愛がられたそうだ。日中は肌が焼けるからと曾祖母は夕方になるとエリをおぶって散歩して、近所の人に可愛いとほめられて喜んでいたそうだ。

わざわざ銭湯に連れて行き、湯船に出した足先まで自慢?したとか。みなさん善意に溢れていたのか。

食事を作っては食べたがらないエリを追いかけまわし、病院に連れて行って「もう作っては追うのをやめるように」と言われたというエピソード。などなど曾祖母の話はいろいろ聞かされた。

曾祖母が亡くなった日のことは記憶にない。妹のココが生まれてすぐだというから、エリは3歳。家族で、白い布に包まれた正方形のお骨の箱を囲んでいた記憶はある。のんのんさまといって、神棚に手を合わせた記憶もある。

エリの人生には曾祖母の守護神がついていたのかな。