朝日連峰縦走(27)なんと月山登山口へ

そこは「ゆったり館」という温泉で、お土産売り場と、運動場のように広い駐車場とバス停がある。バス停で調べてみると、いろいろな路線バスが出ているようで、タキタロウ組もあーだこーだとアドヴァイスしてくれるのだが、彼らは鶴岡の人なので、ざっくりとしか知らない。

時刻表には「寒河江行き」が、10分も待てばやってくる予定。寒河江に出れば何とかなるだろう。(ところが不思議なこともあるもので、大井沢から寒河江行のバスはないと、次の年に朝日に行くとき調べて知った。たしかにあったと野遊は思うのだが、あの記憶は何だったのだろう!?)

タキタロウ組はこれから入浴して鶴岡に帰って打ち上げをするんだと言っている。銀玉水の名水をドデカイポリに入れて「これで今夜は水割りを飲む」と、嬉しそう。実は強い人たちだったのだ。

そして野遊に、お風呂に入っていったらどうかと勧めるが、あと10分でバスが来るんだぞ。最後まで爆笑の連中だった。写真を撮り合ったりしたので、メアドを知らせ合ってお礼をを述べて別れた。今はメールで手紙も写真も送れる時代なので、野遊なんかはそのたびに便利だなぁと思ってしまう。

着替えたいし靴も履き替えたいけど、まずはもう来るバスを待つ。広いわりには人影がぽつぽつで、バス停にはだれもいない。バスがきた。乗る前に運転手さんに「山形に出たいのですけど」と聞いた。運転手さんは「このあとのバスがいいですよ」と言って発進していった。さらにしばらく待っていると、またバスがきたので同じことを言ったら乗せてくれた。これで山形に出られるのだな。

と思ったが違った。月山登山口で乗り換え、そこに山形駅行きの高速バスが来るので乗り継ぐようにと運転手さん。な、なんと(・o・)! 地図を見ても朝日連峰周辺しか載っていないし、よくわからないけど、出羽三山はたしか羽黒山入山として鶴岡からでは?自分は朝日連峰の南端から降りてきて、また北端に戻るのか?土地勘がなくて見渡せない。

バスは野遊のほかに年配のご婦人と男の子が乗っているだけだった。この子がなつこくて、運転手さんが野遊に何か教えてくれているのに割り込んできて、野遊にアドヴァイスをしようとするのだ何も知らない分際で。ご婦人も野遊に話しかけてくれるのだがよく意味がわからない。運転手さんが時刻表を渡してくれた。月山バス停で20分待てば山形行の高速バスが来る。

男の子がひきりなしに野遊に問いかけるので、(口ふさぎに?)ミカンをあげた。この子は「わぁいミカンだ、夏なのにミカンだ、このミカンどうしたの?」と言い、ご婦人が「珍しいねぇ、きっと縁起のええミカンだね」と。かわいくて、もっと何かあげたかったが、行動食はあるが残り物を処分するようで気が引け、キャンディーなら、とあげた。「わぁい飴だカルピスの飴だよ、おばあちゃん」と、これは野遊に語りかけたんじゃないよ^_^;、おばあちゃんは「よかったねぇ」と言って野遊にお礼を言うので、あんまりまっすぐな人たちで野遊、照れてしまったよん。

16:00をまわったころ、バスは月山登山口に着いた。