安達太良連峰(6)乳首にて 1

乳首の下は人だらけで、どこからわきあがってきたのだろうというほどだったが、そのほとんどが、すぐそこのゴンドラ使用の往復の人々だった。
ここで野遊は悲惨な目に遭った。ここは野遊のほかの文章より抜粋する。
「東北の山はロープウェイとか多すぎるけど、どう思いますか」という内容の質問への応答として書いた文章です。以下。

自然への触れ方はその人それぞれなので、ロープウェイがあるから山に登れる方もあり、観光地になってもいいと思う。

と思うけど、困ることもあり。秋の連休に安達太良山を歩いたら、(野地〜鬼面山〜箕輪山〜安達太良〜安達太良高原)主峰に近づくと急に多勢さんになり、乳首の登りで大渋滞。何十人もの団体さんが、なくても登れる鎖場でヨタコン列車。

でも「先に行かせてクリョ」っていうわけにもいかず、じっと我慢の子。だって団体さんのガイドが絶対にそれを許さん、という感じで。上から降りて来る人も動けず、その人数もどんどん増していき。団体さんはストックを取り落としたり、ものすごくゆっくりで、ガイドが、上で待機している登山者に「言うときますがね、登りが優先と決まっとりますので」と。

ようやく登り、(ヒョイと登れる岩で、鎖はいらない感じだった)、時間をずらして下ろうとしたらまた違う団体さんに混じり。

この方々はロープウェイで登って降りるのですね。

仕方ないこととは言え、ロープウェイ頼りっきり組に巻き込まれた者としては、やはりちょっと辛かったです。答えはないんですけど。