野遊の12月 9 「ツアー登山体験談」(4)ちょっと苦しいかも

鎖場があった。一人ずつ登ったが、すごく時間がかかり、待っている者は寒くなってきてガタガタだった。でもじっと待った。

隊長ガイドが上から「そこに足をついて」とか指示している。でも鎖と岩にへばりついて、動かなくなってしまう顧客が多く、野遊の前の顧客は、手にしていたストックを落とし、それは狭い場所に立っている野遊の胸すれすれで、ひょぇ〜コワイ、サック取ってあるじゃないですか!

皆さんほとんどがストック持参だった。それもサックなしだ。枯葉ザクザクなので取ったのだろうか。かわいそうな山道!

野遊の番になって、しょうがないから落ちてきたストックを片手に登ることにしたが、鎖は最初に手にしただけで、登りだしたら別に要らなかった。片手で岩を掴んで、10秒足らずで上に出ていた。・・・一体なんなんだろうと思った。

前を行く顧客にストックを手渡したら、その方は女性だったので、優しくお礼を言ってくださった。これが男性だったらお礼も言わずに受け取ったのではないだろうか。男性ってそういうとこがあると、野遊は体験してるので。気恥ずかしさが先立つらしい。

少し広い場所に行ってからみんなで、全員が登ってくるのを、いつまでも、いつまでも待った。
合わせること。ツアーとは、結構苦しいものだった。