ヒマラヤ山行 (2)ゴーキョピーク5360m

そこですべての望みがかなえられた。
チョオユー、ギャチュンカン、プモリ、エベレスト、ローツェ、ヌプツェ、マカルー、アマダムラム、タムセルク…
この目で見たかったものすべてが展開されていた。


最初は元気だった野遊も、高所に近づくほどに息苦しくなっていって、4000mを超したあたりから毎日辛かったけど、ゴーキョピークではそれが一気に報われた思いがした。

一番悩まされたのがバッチイトイレの問題だったけれど、人間は食べることと排泄がセットになっているのだから、もっと自然に捉えられたら、こんなに悩むことないのだ、せめてこの期間だけでも捉え方の変革を試みようと思ったりしたものだ。

いったい大都会と呼ばれるナムチェバザールとはどういうことだろうと思ってきたが、この目で見てよくわかった。

シェルパ族にも会えた。感慨深かった。

野良犬というか自然犬というか、いっぱいいて、それが人間を噛むことなんか知らぬげに懐こかった。それはかわいそうなほどだった。

ゾッキョ。ああゾッキョ。かわいそうな動物だ!

動物と人間、そして人間同士も、身分のような差があり、それはあまりにも厳しくシンプルで恐ろしいほどだと感じた。

野遊にとって初めての海外登山だったので、何度も体験しておられる先輩諸氏の中で、多分最も劣等生だったと思うけれど(これは登り方が劣等生と言っているのではなく、クライアントとしてダメな奴だっただろうということです。深く反省)、優秀な鬼コンダクターはじめ忍耐強いクライアント方のお陰さまをもって、無事に行って帰って来られました。
 
今は一度に思い出せないので、しばらく期間を置いてから少しずつ記していく。