ヒマラヤ山行 (10)現地の生き物・・・猫の話「一番高いところに住む猫」

典型的な猫好き野遊が、バンコク入りした初日からネコネコネコはと猫をさがしていたのはいつものことだけど、猫はどこにでもいて、それでいて滅多にゆっくり鑑賞させてくれないもの。

喧噪のカトマンドゥ市街を通るときに、猫を探してはいけない!探すと見つけてしまうから。見つけると立ち止まりたくなるし遊びたくなるから。猫は野遊にとって麻薬みたいなものだから。

優秀な鬼コンダクターが「はぐれないでください、こんな場所ではぐれたら大変ですからね」と言う。みんなに向かって言っているけれど、「あんた(野遊)に言いたいんだ」と、心中思っているだろう。

ヒマラヤ入りした山道に猫は見かけなかったが、村にはいた。これがネコさんの愛おしいところだ。彼らは人間が好きなわけではないけれど人間の住む場所の近くに住むのだ。だから野生の猫という言葉はない。野良猫なのだ。人家の近くの野良。またはストリート・キャッツ。野猫とも言う。つまりせいぜい野原まで。野良がつくのは犬と猫くらいなもので「野良熊」なんて言わないでしょ。

猫は元来ペットとしてこの世に出てきた動物なので、ジャングルや深山にはいないのだ。もし猫をそんなところに捨てたら、金魚を川に放すようなものだ。

深山にはいなくても、高山にはいるというこの不思議。それは、高山だって人家があるヒマラヤの場合。ヒマラヤの猫が「この世で一番高いところに住む猫」だ。簡単に4000mのロッジといっても、日本では富士山以上だから、そんなところで猫が生活しているなんてすごい。ヒマラヤの猫は心肺が強いに違いない。

写真では子供に抱かれる猫などがある。ナムチェだったかな。猫を可愛がったり遊んだりするのはもっぱらそこに暮らす子供たちのようで、大人はどうなのだろう、いるから置いておくだけなのか、ネズミもいるし。猫への濃やかな所作は、あまりないように感じる。

ロッジに着いて、今日はこれで行動終わり、というときにネコさんは出てきてくれなかった。行動中に街を通り抜けるとき、物陰でのんびりくつろいでいるネコさんがたを目撃したことがある。チラッとしか見られなかったが、薄茶色と灰色のネコさんがただった。毛はフサフサしていなくて、全体的にシュッとした感じの美があった。
あ〜あ〜あ〜と思いながらそのまま通り過ぎた。

と、これが実体験なしで、あまり書けなくて残念なヒマラヤの猫の話。次回はサイズが少し大きくなって犬です。