ヒマラヤ山行(39)番外編 ネパールを思うⅡ「まるで身売り」

(38)「出稼ぎ」の続き
以下、4カ所からの抜粋文

【マレーシア人口の1.64% ネパール人労働者
南北に細長いマレーシアは、ネパールの2.3倍の面積があり、その人口はネパールより200万人少ない。だが、スズや鉛、ボーキサイト、金、石油、天然ガスなどの天然鉱物・自然資源、IT・工業生産にも恵まれて、急速な経済成長を続けており、政府は2020年に先進国の仲間入りするとの目標を掲げている。
マレーシア人口27、468,000人の中で、ネパール人は40万人の正規労働者と、5万人の不法就労者が働いている。】

【 借金の嵩んだ若者には海外での出稼ぎに雄飛する者が多出している。最近は、マレーシアの出稼ぎが増えている。就労契約を結ぶ際に、貧しい若者たちは、パスポート取得費用、渡航費用や斡旋料一切を自腹で支払える資力がないため、 オフィスから高利の借金をし、労働しながら月々その返済をしている。マレーシアの空港に到着と同時に、 出迎えのマレーシア雇用者代理人にパスポートを取りあげられ、味気ないタコ部屋の社員寮に入れられて働くネパール人労働者を是非見て頂きたい。】

【体験談インタビュー
海外へ出稼ぎに行った人の全員が成功するとは限らない。悪徳エージェントに騙される。充分な給料が支払われないまま帰国を余儀なくされた人もいる。雇い主や仕事仲間から虐待を受ける労働者もいる。出稼ぎ先で病気になる人も多い。稼いだお金を、酒やギャンブルに使ってしまう人もいる。帰国するときには無一文という人もいる。】

【在ネ日本人の言葉
中東からの棺の多さは本当に胸が痛みます。昨年、火葬前のカタール航空のタグの付いた棺の中で眠る男性に、ダイ、ダイと泣きながらしがみ付いていた10代の少女の姿を見て何とも言えない気持ちになりました。出稼ぎ先の職場環境が必ずしも安全で良い環境とは言えない。でも家族を養うためにはやむをえない。せめて、こういった奴隷的な出稼ぎ労働が減ることを願っています】(ダイとは、お兄ちゃんのことです)


まるで身売りだ

ネパリは結婚が早いという。家族を養うに足りない状態でも結婚してしまい、やがて仕事もなく出稼ぎに行く。妻は仕送りを受けながら待つ。男は出先で働き通せずに身を持ち崩していくこともある。年季が開けても借金が返せなければ、ズルズルと伸びていく。

出稼ぎ先はイラクアフガニスタンなど危険度が高い国ほど収入はいいそうで、他にサウジアラビアカタールクウェート。隣国のインド。受け入れ態勢の活発なマレーシア。日本に出稼ぎに来るネパリもあり、日本女性との間でずいぶん悲しいドラマも後を絶たないのだ。彼らは働き続けるために日本女性と結婚したがり、重婚になるのを嘘をついたり。次第にスレていくと、悪質なネパリも出てくる。

それにしても大事な若者を他国に出してしまって、ネパールとはなんという国だろう。