ネコたち日誌 番外編2 梅太の袋破り

プー子から届け物があった。大きな袋でしっかりと梱包されてあった。野遊は外出していたので階段の途中に置かれてあったそれを明日にしようと置いたままにしたところ、朝になったら外側のビニール袋は破られ、中の梱包紙も破られ、そのまた中の本体の入れ物も破られて、中身がこぼれていた。一粒。プー子がネコらに郵送してきた餌だった。夜中に歯と爪でガリガリやったらしい。梅太だな。においが漏れるのだろうか。

食い物に関しては何と悪いネコだろう梅太は。以前預かったときも、戸袋の中に入って、エサ袋を破いたことがある。こういう悪者を野遊は育てたことがないので腹が立ったが、不機嫌なトラみたいにブスッとしてこちらを見ている梅太が、心中、野遊がどう出るかうかがっているようで、こいついちいち診断してやがると。

プー子もメールで餌を送ると書いてよこせばもう少し早く対処したのに。

デカイエサ袋と一緒に、野遊の好きな湯の市のシャツと招待券が10枚入っていた。湯の市は好きだけどシャツは背中に大きく湯の市の絵が入っているので、どこに着て行けっていうの?湯の市にしか着て行けんじゃん。

バースディにプレゼントしてくれるのはうれしいと思う。でも何にもいいから、近いのだしなんで帰ってこないのか。そのほうが心が感じられるのだが、プー子は、ことさらに情操豊かに育てたつもりが、実家で過ごしたくないのだろう、この点ばかりは裏目に出た娘である。

どこか野遊が間違ったのかなあと思うが、あんなにかわいがったので、居心地が悪くて来ないのではないと思う。要するに情操が薄いのだろう。持って生まれたものだ。

こんなにかわいがっているのに野遊にジロスケがスンスンしているのも・・・あこれは関係ないか。