秋のヒマラヤトレッキング 43 湿った樹林帯を急登する

たしかに一つ一つ濃い思い出があるのだけど、今資料を見ずに書こうとすると、なんと、書けない。今まではタイトル決めるとどんどん書けたのに、野遊がモタラモタラして日が経ってしまい、曖昧になっている。

サルケから地獄の大急登急降下を繰り返して次に印象にあるのは、Taksindu2960。この登りが長かった。朝方は例によって元気で、山道の向こうの向こうにぽっちり見えるトップ(らしき)シンボルを目指して、あんまり考えると力が落ちるので、ただあそこまで、あそこまで体を運ぼうとだけ思って歩いた。そうすると1時間、2時間、次第にそのシンボルが大きく見えてくる。ついにあと幾筋かのまわる山道沿いに登っていけば、ずっと朝から見あげてきたところにたどり着くのだ、というところまで来た。だんだんしっかり見えてきた旗のようなものは、家に立ててある布類(旗のようなもの)だと判明してきた。

そうしてようやくたどり着くと、そこは無人の廃墟で、5分ほど休んで再出発。そこからが長かった!ずっとゆるゆる登っている。はぁはぁ。

もういいかと思ったら森の中。急な樹林帯を抜ける。
陽の射さぬ黒土斜面。心も暗く。道がわからなくなる。
と、上からかけ下ってくる西洋トレッカー数人。違う道から降りてきた。
そっちに行ったり戻ったり、結局どこからでもいいのだった。

ようやく道に出た。右手に埃っぽい林道がうねっている。ああシュレスとはきっとこの林道を歩いたのだな。遠回りなのだな。先のほうにサントスが見えた。