ヒマラヤポカラトレッキング29「Dovanのロッジ」

Dovanには、シュレスが先に電話で連絡を入れ、一人部屋があるというので予約して、途中のロッジを通過して、雨にも負けず着いたのだが、いざ着いてみると、一人部屋はないそうだ。話が違うと、珍しくシュレスが怒った。と言ってもシュレスはムッとするだけで激昂したりしないけどね。

シュレスはそもそも談判とか大いに苦手なのだ。

シュレスにはポータとして同行してくれればいい、と野遊は言はっているのに、がんばってくれる。

野遊の不眠体質を知っていて、ABCロッジでちょっと長椅子に横たわったのを心配してくれている。まさか4130mで高山病ではないのに、あれは不眠からくる高山病だと言い張るのだ。だからこうして個室の予約の取れるロッジまで、長いけれど歩いたのだと。それが、個室がないというので、話が違うと怒ったのだ。ネパーリは、何かというと、すぐに話を違えるので、へぇ~シュレス君がねぇ~と、野遊には少しおかしかった。

相部屋でも泊まれればありがたいのではある。なのでもういいからと野遊は言ったがシュレスは気が収まらないらしい。部屋が指定されていないので、カギをもらってくると、シュレスは再び母屋のほうに行った。

その後どう交渉してくれたのか知らないけど、最終的に「個室を提供してくれた。でも2000Rsだって」と言ってきた。

お~4~5倍の額を言ってきたか。「ワタシガハライマス」とシュレスが言った。お~・・・。

なんか本当にシュレス、話が違ったことがショックだったのね。

時々シュレスを抱っこしたくなるほどかわいく思うのだけど、この時も抱っこしたくなったものです。

それだけでもう十分、「2000~RsでOK、シュレスありがとう」と野遊は言った。シュレスは「僕はこのロッジのことを覚えておくよ、今後決して使用しない!」と言った。

今にロッジのマスターたちに知られるようなグレイトガイドになってみせる、と言っているように聞こえた。

このロッジも宿泊棟が母屋から離れていて、ドアを開けて出るともう外であり、端にトイレがついている。

10部屋(しかも複数人部屋もある)に対してひとつのトイレだ。こういう造りが多い。

隣室はコリアの団体で、まあ騒ぐこと。なんでだろ。野遊がドアを開けて外に出ようとするも、ドアのぎりぎりまで荷物を置いて、開かないのだ。声をあげて荷をどかしてもらうのだが、無言。そしてまた騒ぎ出し、野遊が戻ってくると、またいろいろな道具がドアの前にドッチャリコ。

も~夜遅くまで騒ぎませんようにと祈ったが、夜は静かになったのでうれしかった。そして部屋を占領させていただき、久々に良い睡眠を得た。