ヒマラヤポカラトレッキング51「カパンを散策する」

シュレスのずっと年上の従兄スバスが、妻のコビタと一緒にやってきて、部屋はますます大入り満員となった。

スバスはカパンを案内しようと、野遊を連れ出してくれて、歩いて20分ほどの観光地に行った。

カパンは思ったより広くてきれいな街だった。

スバスは野遊に、ネパールに住む民族の歴史を話してくれた。そして、中国政府に牛耳られることを承服できないチベット民族が中国の軍隊に追われて、命からがらヒマラヤを越えてインドやネパールに辿り着く話もしてくれた。

シュレスが隣で、「エリ子はそういうこと知ってるよ」とスバスに言った。(山中のロッジで、チベットから逃亡してきた人の息子が首輪を売っていて、彼と色々言葉を交わし、あとで野遊がシュレスに、彼らの歴史を話してあげたので)

スバスは「ポカラを案内したイタリア人たちは、こういう話を初めて聞いたと言って驚いていた」と言った。

スバスは野遊のトレッキングの前にポカラでフェワ湖を散策したが、そのときイタリアーノ数人を紹介され、「彼らは明日から、私がガイドでトレッキングする」と言っていたが、彼らは、1週間ほどトレックで、もう帰国した。彼らはスバスに勧められて、カパンにも来たのか。よく、行動を共にしたガイドやポーターと仲良しになって、トレッキングが終わってから、彼らの家に遊びに行くと聞くことがあるが、そうやって仲良くなれるのは良いことだと思う。

そういえば野遊も最初シュレスと長いトレッキングを終えて、シャワーのあるゲストハウスに泊まろうとしたのに、ほとんど無理やりにカパンに連れて行かれ、ルビおばさんの家やスバスの家に行ったものだ。そしてサクセスパーティをやったことを思い出す。

皆フレンドリーで優しかった。