野遊の将棋物語14 朝日杯将棋オープン戦準決勝2

午後からは勝者同士が対局する。キュンが先手で、普通な感じで飛車先を突いて始まり、先手が角道を開けて、互いに金や銀で角を守り、先手が角を七筋にあげて、後手が交換にきた。先手同銀、それから端歩を突き合ったりしていくうちに戦形が険しくなっていった。先に玉を4筋に動かしたのは聡太のほう。30手くらいから中盤に入り、40手当たりでは先手が優勢なのかなあという感じだったけれど、7,8筋で歩と銀のキツ~イつばぜり合いがあり、先手は金、後手は飛車がそれぞれの背後にあって、やっぱり飛車のほうが剛腕で、銀が糸もないままに討ち取られ、先手が飛車先に歩を打ったけれどもあんまりホッとしない状態になって、50手目くらいからは後手がぐいぐい先手の陣地に打ってきて、もう先手の王さんは逃げたり間駒したりと受けの態勢になっていき、せっかく桂馬が飛んでもただの思い出王手みたいな感じでとっとと討ち取られ、70手目くらいからは後手がすっかり主導権を握っている感じで先手は応戦していた。先手の馬もがんばったけれどいつのまにか増えた駒で後手がどんどん攻めて、陣地はどんどん荒らされ、王さんは逃げ場を作ったけれどもすでに遅く、80手目くらいではもう、あああ、あああ、という感じ。何しろ1分将棋になっていたので、野遊なんかもう何も考えられず、あああと言うばかりだった。95手目で先手が投了した。

公式戦7戦目にして初めて聡太が勝った。

ふうぅ・・・キュンが負けると肩が凝る。眠るときも黒雲がドワァァ~…と淀んでる感じ。