マナスルBC ヘリトレッキング 34 ラストナイト

9月13日23時にトリブバン空港を発つ予定なので、もう遠出はせずにフジホテルの並びにできた新しいレストランでディナーを楽しむこととなった。

これからマナスルに向かう野口健さんが寄ってくれて夕食を共にした。近藤隊長は野口さんが初めてエヴェレストに立った時にガイドしてくれた人なのだった。 

2015年4月のネパール大地震の時EVBCに居て雪崩に遭い、やがてソルクンブで過ごした野口さんに、野遊はその時の話を聞きたかった。そして野遊がすぐ近くにいたこと、互いに何をしていたかなどを話し合った。

「ソルクンブ通ったんなら手伝ってほしいことがたくさんあった」と野口さんは言った。もう交信に忙しくて手が回らなかったそうだ。野遊も相当心細くて、天災により人影の極端に少ないトレッキングウェイで、この人に出会えていたなら、どんなにホッとしたことかと今さらながら思わずにいられなかった。

でも、あの地震の話を共有できる人が野遊にはいなかったので、野口さんと語り合えたことは本当に嬉しかった。

(写真は、早口で明るく話をしまくる野口健さん)