鎌倉駅前の交差点物語 (9)保留、実は却下?

障害を持つ@さんの発言から端を発し、実際にそこへ行って点検し、その意見を持って議会に臨んだ鎌倉市議会議員の千一は、その交差点の歩行時間を延長してほしいと提案したが、市からの即答は得られなかった。市としては、あれは神奈川県警の管轄化にあるので、鎌倉市で検討し、変更することができない。が、市から神奈川県警に打診してみるという返答だった。

そこまでの返答は、障害者団体で訴えたときも得られただろう。それからが問題なのだろう。市は、神奈川県警に打診してくれただろう。まさか窓口で、それは市の管轄ではないのでと、断ったのではないと思う。

いや、窓口で断ったのかもしれない。
議会に出た事柄だから、一歩進んで県警に打診する段階に進んだのかもしれない。だとしたら、やはり議員の力は大きいということになる。
本当は、市民がじかに訴えても、内容を検討してもらいたいが、現実はそうでないのかもしれない。

そして千一は待った。でも返答がないままに日が過ぎた。結局、保留というのは、こちらから催促しない限り、却下されたのと同じなのだった。


次の議会の日が来てしまった。千一は、また質問席に立った。立てないから車椅子で出ていったのだけれど。

同じことを質問する。次の議会でも、また同じことを質問する。市の返答に対して、即突込みができない千一は、いつも話言葉風な質問文を、そのまま担当職員に読み上げてもらうだけだ。一蹴されても、再質問ではほんの数行しかしゃべれないので、次回に持ち越すことになる。

春が来て、夏になり、秋がめぐってきてしまった。