鎌倉駅前交差点物語(24)休憩時間の質問

鎌倉駅前交差点事情を最初に訴えてくださったご婦人が、不安そうに野遊に聞いてきた。彼女も「あの交差点、5秒伸びたのではないんです」という県警の方の発言を気にしていた。彼女は「車の走行時間が減ったので、そういう気がするのでしょう」という発言も気にしていた。

「どういう意味なのかしら」と。ざっとは解釈できる。でもあの解説ではフォローが足りていないのだ。ほんわか聴いていると疑問が残るのではないか。皆さんはわかったかな、という不安を感じた。ま、今回は一般市民は少ないからともかく、本来は市民の方々、障がいのある方々も参加するシンポジウムだということを念頭に置いておこなうものなのだ。

県警の方に、この時間を拝借してお聞きしてみた。すると彼は講演時と同じ言葉を繰り返した。すなはち「スクランブルは全体の調整が肝要なのです」という内容のお答えだった。ん、だからそれはわかりましたって。

で、野遊は言い変えてお聞きした。
スクランブル交差点が一巡する中に工夫を施したということですね」
「そうです」
「その結果、車1台分の時間が歩行時間にふり替えられたのですね」
「そうです」
「その時間が、5秒だったのですね」
「そういうことになります」
(こちらが歩み寄った言葉に「そうです」と答えるのでなく、講演時にそう解説してほしかった)(その結果であろうとなんであろうと、歩行時間が5秒のびたのだという言葉がないと、実はあれは5秒のびたのではないのですという言葉だけが残ってしまうっしょ)(人前でしゃべるって、こういうことなんですよ県警さん)

ご婦人もようやく納得したようだった。