大黒屋光大夫を辿る旅 8 タリツィの猫

イルクーツクからバイカル湖に沿って北上、タリツィという木造建築美術館に行く。
開拓時代のシベリアを再現したミュージアムだって。

原住民ブリヤード人が住んでいた農家の数々は低い屋根の集合住宅、ロシア人の家、水車小屋、家畜小屋、お墓、教会、要塞、小学校などが再現されてある。要塞は四角い窓があって、ブリヤード人を撃つためか。

ロシア人はブリャート人と戦いながらシベリアをのっとっていったが、ブリャート人は牧畜をやり、ロシア人は農業、狩猟をやっていたのだ。互いに何の問題もなかったはずだ。
しかしロシア人は、元から住んでいたブリャート人をやっつけて土地を奪い、税を取り立て圧迫した。
ちなみにブリャート人は、北側から日本に入った日本人のルーツとなる民族だ。
最初の出会いから、ロシア人は日本人を力でやっつけた民族なんだな。

このミュージアムは、1992年『おろしあ国酔夢譚』(井上靖著)の映画化で、イルクーツク市から提供され、多くのシーンに使われた。わたしたち旅の一行は「映画村」と呼んでいる。

この村にわたしたち20人あまりの集団が、夏休みにでも別荘として住んでみたいなとか話し合った。代わりにちゃんと管理するからと。団長は最も入口に近い建物に住んで、朝早く散歩がてら、この集落をくまなくまわって、みんなの無事を点検してくださいね。孤独を愛する00さんは、あの離れのおうちを独り占めしていいですよ。野遊は、ううんそうだにゃ、(と、クーポルの光る一番きれいな建物を見て)あれがいい。夕方には鐘を鳴らす役をしてあげますから、鐘が鳴ったらお食事を運んでください(^.^)

外は芝生、目を転ずれば低い山々が見え、湖も見えた。
野良猫発見!
白くて思ったより小柄。いじめられことがないらしく、触らせてくだされた。
橙のニケ猫もいて、日本の猫とそれほど変わらない。
みな顔色もよく健康そうで、何を食べて暮らしているのかな。